覗いてごらん アラサー サブカル通信

ちょっとマニアックな映画や音楽などについてアラサー女の目線で自由に書いていきます。

映画 〜 ジョゼと虎と魚たち を観た

 

大好きな映画館で

 

ジョゼ...へぇ〜、今更?って声がたくさん聞こえてきそうですね。

 

そうです。これは15~6年前に日本で公開された映画ですから。

 

全国一斉公開かは不明ですが、一応わたしが住む札幌では2004年の1月に公開されたみたいです。

 

もちろんわたしも公開当時劇場で観たクチです。

 

そして今回わたしはDVDで鑑賞したのではなく、封切時と同じ劇場で再び観てまいりました。

 

なんと当時のチラシがわたしの映画フライヤーコレクションの中に残っていましたよ!

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 黄色い入場券は今回の特別上映のために昔使っていた懐かしのチケットを配っていたんですが、実際に700円なわけではありません。

 

わたしがよく行くその映画館・ディノスシネマズ札幌は6月2日をもって閉館します。

 

昨年末に、地元の新聞などでスガイビル(映画館の他にゲームセンターやボーリング場、カラオケなどが入っている古くからある娯楽ビルです)が取り壊され、跡地にホテルが建つという途轍もなくショッキングな記事を目にしました。

 

しかしスガイ側は同じく昨年末に公式ホームページで、そう言った事実は現段階ではない、と否定していましたので、少しだけ希望を持てたのです。

 

しかし安心したのも束の間、今年に入って3月ごろ、ビルの老朽化を理由に6月2日で閉館するという具体的な日にちまでもが再び新聞などで報道されました。

 

もうスガイ側が開示しての報道なので、こちらとしても寸分たりとも希望を持つことができず悲しくてショックで、とにかくもう...! 言葉にできない気持ちでした。

 

スガイがスガイのまま、どこの企業の傘下にも入らずに経営できていれば一番良かったんだと思います。しかしそうもいかない事情があったんでしょう。スガイは今まで何個かの企業の傘下に入ったりしています。でも経営権を得た会社もこんな、札幌市民から映画館を奪うようなやり方をするなんて、わたしは考えてもいなかったことです...。と小さき者は小言のような文句しか言えません。

 

一応、次の場所を探しているという話ですが、本当に実現してくれるまで不安しかないです。信じて待つしかできませんね。

 

札幌の映画館はシネコンが2つとミニシアターがあと一つ。それだけです。コアな作品が見たければそのミニシアターに行けばいいじゃない、とお思いになるかもしれませんが、その劇場はちょっと苦手で行きません。

4~5年前に蠍座という名画座が閉館した時もショックは大きかったです。

しかし、わたしにはまだスガイが残っている!あそこだけは無くならない、と思い込んでいたし、なくなってくれては困るし!と思っていたのに僅か4~5年後にこんな事態になろうとは。

中学生の頃から通っていた思い出の劇場で、他のどの映画館よりも思い入れが強い場所です。多分、ある意味人生で一番泣いてる場所だし、数え切れないほどたくさんの作品を観せてくれて、映画を通じてこういう人生もあるんだなと疑似体験しては少しぐらいはわたしの人間性を上げてくれていると思います。

 

札幌で観られる映画減るなぁ...。スガイの作品のチョイス、好きでした。

 

まぁ、スガイについての熱い思い入れはまた後日詳しく。。。

 

 

全く色褪せることのない映画

 

前置きが相当長くなりましたが、そうジョゼジョゼ。

 

スガイがみんなから思い出の作品などを募集して、昔の作品もたくさん上映するというような企画で、このジョゼと虎と魚たちも上映されました。

 

わたしは投票できずだったんですが、もし選ぶならこの作品は書いたと思います。

あと他だと『アモーレス・ペロス』と絶対他に書いた人いないと思うけど『メルシィ!人生』かな〜笑。

 

もう、名作と呼んでいいこの『ジョゼと虎と魚たち』。

 

キャストは妻夫木聡池脇千鶴上野樹里などで、やっぱみんなわっか〜(若)って感じですね。 

 

江口のりこも出てますけど、まだ表記が江口徳子ってなってました。

 

大学生の恒夫は、ある日の早朝、乳母車に乗った足の不自由な少女と出会う。彼女を連れていたおばあさんに誘われて朝ごはんを食べたことがきっかけで彼女の家に通いだす恒夫。次第に恒夫とジョゼと名乗る少女は惹かれあい始める。

 

今思い出したけど、この作品を大きなスクリーンで観るのは3回目です。

 

2回目は『池脇千鶴さっぽろシネマフェスティバル』というイベントに行って(笑)、今作の他に『大阪物語』『ストロベリーショートケイクス』と池脇千鶴トークイベントが間に挟まっているっていうやつがあったんですわ!確かその時は今より結構ぽっちゃりしてたけどトークショーだからってのもあるかもしれませんがニコニコしてて人柄の良さみたいな、そういうのを感じました。今でも彼女はたくさんの良い映画に出演していて素敵な女優さんのひとりでしょう。

 

話が脱線しっぱなしですけど、とにかくですよ、この『ジョゼと〜』は何年経って観ても切ないです。

 

映画って時間が経ってからもう一度見直したりすると全然違った印象になることって多いんですけど、わたしにとってこの『ジョゼと〜』は全く印象が変わらないです。

 

何回観てもこの時の上野樹里は可愛いとは思えない(けど男は好きなんだろうな〜笑)し、恒夫が選ぶ答えも責められない。

 

人の心の移ろいは誰にも何にも止められない。

 

そういう現実をまざまざと表現しているこの作品は誰が観ても、どこか自分の経験と重ねてある種居心地の悪さみたいなものを感じるかもしれません。だけどそういう自分に嫌気がさすけど、最後の恒夫の泣く場面で少し浄化されたような、そんな気分で終われるから前向きになれます。

 

そしてジョゼは今日も美味しいご飯を作っているのが、切なくもあり逞しさも感じられるからこちらもほっとするというか。

 

あと、やはりそのジョゼが作るご飯が単純に超うまそうってのもこの映画の見所の一つです。

 

大層なメニューではないですよ?逆にものすごいシンプルに和食。魚が焼ける様や、だし巻きに大根おろしが添えられているところ、明太子とご飯...観ていてお腹空く!やっぱ料理上手に越したことないわな、と観る度に思います笑。

 

あと、忘れちゃいけねぇ、くるりの音楽もビッタシです。

 

観たことない方は是非、一度観てみてくださいね!

ジョゼと虎と魚たち [DVD]

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ではまた!