海外の話④ ホームステイ1日目
初日のディナー
ホストマザーに問いただされたような気分になったわたしは、渋々答えました。
「シリアルで…」
今で言うところの、完全に忖度したわけです。日本独特の考えなのか、ジュリーもわたしがそう言って欲しかったのかどうかも、実際わかりません。
とりあえず、わたしがそう答えたので、何種類かのシリアルが用意されました。
適当に選んで食べたシリアルはQUAKER(クエーカー)というメーカーのアメリカらしいおじさんの絵が描かれたパッケージのもので、それをじっと見ながら食べる切ない時間になりました。初日のディナーがシリアルって。。
若干の冷たさを感じたものの、こんなものなのかも、と切り替えは早いので、あまりネガティヴに考えるのはやめました。
食後には、ジュリーにも日本土産の説明をしました。
白い恋人のカンカンを見るや、ジュリーは
「これはフランス語ね」と。
もしかして、日本で買えるフランス菓子かなんかと思っているのでは!?と焦ったわたしは、
「これはフランス語かもしれないけど、このお菓子はわたしの住む街の有名なお菓子ですよ!」
とつけ加えましたが、
「ん〜、でも〜」
とジュリーは腑に落ちてない様子、笑。
アメリカではパッケージに異国の言葉を使用することはないのだろうか?稀なのかしら。でもとりあえず、それ以上はわたしもどう表現していいかわからず、もういいやと半ば投げ出したのでした。
箸のお土産はいいアイデア(誰でも思い付くだろう…)と思っていたわたしでしたが、この家には、もう既に何膳もの箸が存在していました。
聞けば、絶えず留学生がこの家にホームステイしてきたわけで、日本人も少なくはないのです。言わば、この家にとって留学生の受け入れは大事な収入源の一つなのです。ほ〜お、道理で、留学生がいるのは当たり前ですから別に新しい人が来てもいちいち歓迎ムードなんて出してらんないワケですね。
わたしの前に来ていた学生も日本からのようで、確か大阪って聞きました。
「彼女はヴァンダッチー(VON DUTCH)のキャップをかぶっていて…」
とか説明してくれたけど、なにそのヴァンダッチー(聞こえた通りの発音です笑)って。そこでわたしは初めてそんなブランド知ったんですが、若者の間で流行っていたみたいです。は〜、確かにロゴは見たことあります。多分その子とは気が合いそうもないな〜なんて勝手に思ったりして。でもジュリーは割とその子のことを気に入っている様子で、まだたまにメールで連絡とっているって言ってました。
その後は、バスルームを案内され、使った後は必ずバスタブの上のガラス窓(シャワーカーテンの代わりみたいな感じ)をワイパーで拭き取ってねってことでした。
そして、ようやっとアメリカの1日目が幕を下ろしたのです。
続く。